私が成功を確信するクラウドファンディングとは?

私が成功を確信するクラウドファンディングとは?

「クラウドファンディングは実行して見なければ分からない」というのが私の基本スタンスなのですが、クラウドファンディングのサポートをしている中で、たまに話を伺っている時点で、“このクラウドファンディングは成功するな!”と思う時があります。しかもそういった場合は殆どがうまくいっているような気がします。

別に私の眼力が優れているわけではありません。そこまで確信できるケースは稀ですし、それとは関係なく成功したプロジェクトはたくさんあります。なので「こういうケースは成功しやすいんだな」程度に参考にして貰えればよいかと思います。

重要なのは「何をやるか」ではなく「誰がやるか」

確かに目新しい商品やイベントなど、突飛なアイデアは人からの注目を集めます。ただ私が「成功しそうだな」とを感じる対象は〝商品〟や〝イベント〟ではなく、実施しようとしている〝人(会社)〟。「この商品は」「このイベントは」ではなく、「この人(会社)はうまくいきそうだな」という感覚です。

ではそれは「どんな人」から感じるのか? 言葉にすると難しいのですが、あえて言うと〝人から好かれる人〟でしょうか。人から好かれる理由には色々ありますが、特に信頼感を感じさせる人。責任感やリーダーシップとは少し角度が違います。〝利他的な人〟と言うんでしょうか。グループの中心でなくても、みんなから頼りにされる人っていますよね。そういう感じです。

そしてそのように生きてきた結果として、人とのつながりを多く持っている人。これらが飛び抜けてると感じた場合、プロジェクトでの成功を確信できます。

クラウドファンディングで大切なのは集客力

「決め手は人柄!」というと、会社の採用基準のようですが、これにはちゃんと理由があります。

クラウドファンディングを計画するにあたってその柱となるのは、

  • 何のために資金を集めるのか
  • 誰からどうやって集めるのか

です。いわゆる目的と手段。一つ目の目的については、そもそもクラウドファンディングを実行する理由ですから、皆さん明確です。ただ〝どうやって集めるか〟について確りと計画を立てている人はあまりいません。

通常クラウドファンディングでは、キャンペーン・ページを作ってサイトに載せただけでは、なかなか注目してもらえません。ではどうするか? 自分で集客するしかありません。

結局、多くの人から支援されている(多額の資金を調達できた)人は、あらゆる手段を使って多くの人に声をかけ、集客がうまくいった人とイコールです。

そして、その際ベースとなるのは、あなたが今まで築いてきた人脈、ネットワークです。親族、友人、趣味、職場等。周囲と良好な人間関係を構築できている人が、一歩有利であることは間違いありません。

「知り合いにお願いする」というのは、フィンテックというスマートなイメージとはかけ離れた泥臭い話と思われるかもしれません。でもそれを実行できた人が成功するといっても過言ではありません。

ネットワークは広さよりも太さ

人脈を頼りにした集客をするのであれば、そのネットワークは広いに越したことはありませんが、クラウドファンディングの場合は一概に多くの人にリーチすればよいというものでもありません。単に名刺交換をしただけで、顔も思い出せない人からはなかなか支援はいただけないからです。

通常の販売行為ならば、その商品やサービスを欲しいと思った、言い換えればその商品がその値段に値すると思った人が購入します。購入する人からすれば価値の等価交換が行われています。

クラウドファンディングの場合、商品の価値だけで勝負するタイプもありますが、大抵はそうではありません。応援等の共感価値を多く得られたプロジェクトが成功(多額の資金調達)します。

そして〝人〟に共感を与えられるのは〝人〟です。商品やサービスではありません。更にその人とのつながりが強い(親密)ほど共感を得やすい。同じ内容でも、誰が言ったかによって、与える効果が180度違うこともよくある話です。

時間が限られるクラウドファンディングでは、支援の期待度が高い人から支援してもらうのが基本。そしてそのベースとなるのが今まで培ってきた人間関係が非常に大事になります。

私はクラウドファンディングを検討している人に対して「あなたが実際に挑戦したら、直接支援を依頼できそうな人は誰ですか?(どの位いますか?)」という質問をよくするのですが、その際、あまり深く考えずに次々に候補を挙げられる方がいます。そのような人には可能性を感じますし、その方と話してみて私自身信頼がおけそうだなと感じた場合、「この人はうまくいくだろうな」と思うわけです。

お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんの書いた『新・魔法のコンパス』の中に、「ホームレス小谷さん」の話があります。その話が、信用とクラウドファンディングについて、非常に分かりやすく、且つ面白く書かれておりオススメです。

積極的にコミュニケーションとれる人は有利

私が〝この人は成功しそうだな〟と感じるポイントはもう一つあります。それは、こちらから積極的にコミュニケーションを図ることができる人、さらに言えば他人にお願いすることに抵抗がない人です。

寄附を代表とする〝他人への支援〟は、いくら共感が得られても、依頼されて初めて行動に移されると言われます。

それも、一対多よりも一対一、メール<お手紙<電話<対面の順で効果があります。

どんどん泥臭い話になってますが、これをやるか否かで結果は大違い。

人と接するのは、手間だし苦手という人は多いと思います(私もそうです)。もちろん、これらができなければ成功しないわけではありません。少し時間はかかってしまうかもしれませんが、自分が可能な範囲で計画を立てればOKです。

私が今まで会った人の中にも、他人に声掛けすることが全く苦にならない人がいます。そういう人は、成功するなと思うという話です。

その際、抜群のコミュニケーション能力は必要ありません。違いが出るのは、〝できるか否か〟〝やるか否か〟です。

効果的なSNSの利用方法

昨今SNSを使ってクラウドファンディングの告知を行うというのは、みなさん思いつく事だと思います。〝One on One〟で〝リアルな人間関係〟を活用するというのが最重要であることは変わりありませんが、無料で告知ができるなら、SNSを利用しない手はありません。

クラウドファンディングは、ソーシャル活動をお金に換える装置である

既にSNSで情報発信している方は(最終消費者向けの商売の場合は、このパターンが多いと思います)、そのフォロワー向けの告知に使用するというのが最もシンプルな活用法。

この場合も〝フォロワーの数〟より〝つながりの質〟が重要で、定期的にオリジナルな情報を発信し、相手に関心を持ってもらっている関係が理想。いつの間にかフォローしていた状態の人ばかりでは、効果はあまり期待できません。

一時のSNSブームで会社のSNSアカウントを開設したものの、

  • 会社の業績にどうすれば繋げられるのか?

と感じている経営者の方は多いですよね。

まじめに情報をアップしてはいるものの、半ば慈善事業のようになってしまっている。このような状況を、クラウドファンディングはリアルな果実(つまりはお金)に換える可能性を持っています。今まで築いてきた良好な関係(信用)を、自社の支援への機会とするわけです。

SNSに限りませんが、クラウドファンディングは、今まで築いてきたソーシャル活動の収穫フェーズだと言われる所以です。

ただし、支援が期待できるほどのコミュニティ(信頼関係)を築くのには時間がかかり、クラウドファンディングを思い立った時から、いきなりSNSでの情報発信を始めても効果はあまり期待できません。今まで地道にSNSで交流の輪を広げてきた人が、他人より有利なスタートラインに立てるという訳です。

地味なエゴサーチが思いのほか大切

もう一つのSNS活用法としては、自分のプロジェクトに関心がありそうな人を探し出すツールとするということがあります。こちらは、今までのSNS利用歴に関係なくどなたでも実行可能。ただしやることはとても地味です。

具体的には、SNSを通じて

  • あなたのプロジェクトそのもの
  • プロジェクトに関連のある事柄

を発信をしている人を探し出し、その人にコメントを送る。

と、これだけ。コメントは単なる「お礼」や「意気込み」や「自己紹介」程度。お願いや営業めいたものは逆効果です。

それで効果が期待できるのかというと、正直爆発的なものは期待できません。ただこういった地道な活動で、少しでも支援者との交流を図ろうとする人、またそれが苦もなくできる人が結局は成功します。

先ほどの西野亮廣さんの話になりますが、彼ほどの有名人であっても、自分または自身のプロジェクトについて発信している人を探し出してダイレクトにお礼を伝えているということを何かの本で読んだことがあります。西野さんは大きなクラウドファンディングを成功させている方としても有名で、さもありなんという感じです。

まとめ‥クラウドファンディングの基本は支援してくれる人に支援してもらうこと

大事なことなのでもう一度言います。

クラウドファンディングは支援を募集できる期間が決められており、また積極的に広告費をかけて集客を行うという類のものではありません。そのため、支援してくれる可能性の高い方から支援してもらうというのが、基本方針です。

そのため、①そのような候補先を多く抱えている、②人とコミュニケーションを取るのが得意な方が有利であることは否めません。

ただ勘違いしないで頂きたいのは、「コミュニケーションが苦手な人は向いていない」ということではありません。コミュニケーションが苦手であっても、他人から信頼を得ている人は沢山いますし、そういう方はこちらからのコミュニケーションを少し心掛けるだけで、うまくいくケースが多いと思います。

また、「自分は支援を依頼できそうな相手が少ないな」という方も心配ありません。クラウドファンディングを実施することで、新たなコミュニティが構築できますし、時間がかかるかもしれませんがクラウドファンディングを繰り返し実行することで、コミュニティは広がっていき、最終的にうまくいったケースも少なくありません。

私も他人とコミュニケーションをとることは得意ではなく、どちらかというと面倒だと思ってしまうタイプでした。ただクラウドファンディングと関わる仕事に就いてからは、人とのネットワークの重要性を実感し、自分のできる範囲内ですが(無理はいけません)、積極的なタイプに少しは変化しようと努力し要心掛けています。

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