2024年7月、購入型クラウドファンディングの大手プラットフォーム(CAMPFIRE, Makuake, READYFOR)における、資金調達が多かったプロジェクト(累計金額ではなく、単月の調達金額)を集計しました。
※ ご注意
このランキングは、多くの人から支援されているプロジェクトの傾向を掴み、今後のプロジェクトの成功に役立てていただく目的で、当サイトが独自で集計したデータに基づいて行っています。そのため各プロジェクトの調達額については、公式なものではありません。また、調達規模を大まかに掴むのに支障がない範囲で、数字を丸めさせていただいております。
CAMPFIRE〜上位はCFならではの多種多様なプロジェクト
タイトル | ジャンル | 調達額 |
---|---|---|
能登半島地震で被災し全壊した牛舎を建て直したい | 災害支援 | 2,141万円 |
造形作家Yoshi.が手がける共依存アドベンチャーゲーム「IZON.」第1節始動 | ゲーム開発 | 1,182万円 |
エスパルス選手バスリニューアルプロジェクト2024 #エスパルスバスと共に未来へ | スポーツ支援 | 1,145万円 |
つけるだけ!虫が嫌がり逃げていく!【極小型★虫よけ器】360度全方位虫バリア! | 輸入販売 | 1,125万円 |
【長岡花火】「みんなで上げよう!フェニックス」震災を乗り越え日本を元気したい! | 地域振興 イベント開催 | 1,040万円 |
総合力のCAMPRFIREならではといったところでしょうか、7月の上位5つはすべてタイプが違うものが収まりました。その中で資金調達トップだったのは、石川県の酪農家が起案したプロジェクト。能登半島地震で全壊した牛舎の建て直し費用を募集したものです。
こういった支援寄りのプロジェクトでは、いかに共感してもらうか、またいかに共感してくれそうなターゲットにリーチできるかがカギとなります。また災害支援のプロジェクトは、その被害が大きければ大きいほど、当然支援を求める人も多いわけで、個人でのクラウドファンディングの場合、プロジェクトが埋もれてしまうケースが多いです。そう意味では、当プロジェクトは少し期間が開いたことも吉と出たのかもしれません。
募集期間の半分を待たず目標の3千万円の調達に成功。残り1ヵ月以上でネクストゴールの7,000万円に挑戦中です。再建見積もりでは、補助金を控除して残り6,400万円が自己負担となっていますから、ネクストゴールを達成すればぐっと再建が近づきます。私も陰ながら応援させていただきます。
ところで、以下は当プロジェクトの支援額の推移(概算)なのですが、目標金額を達成した後は全体的に支援額が減っているのが見て取れます。この現象は当プロジェクトに限ったものではなく、特に支援色の強いプロジェクトでは一般的に見られることです。
目標を達成したプロジェクトには「自分が応援してあげなければ!」という思いが薄れてしまうのでしょうか。この辺りが目標金額の設定の難しいところだと改めて思いました。
Makuake〜クラウドファンディング経験豊富な事業者が上位
タイトル | ジャンル | 調達額 |
---|---|---|
第三弾|応援購入9500万円超え!扇風機+空気清浄機能搭載 3Dサーキュレーター | プロダクト販売 | 2,165万円 |
【異次元の解決力】ニオイのSOSに!臭いを分子レベルで分解する脱臭機|cado | プロダクト販売 | 1,414万円 |
どこでも持ち運べる防水ポータブルシアタースピーカー MAGSPEAKER DUO | プロダクト販売 | 1,401万円 |
【瞬冷-14.8℃】寝床に入った瞬間ひやっとろ〜ん!極上の敷きパッドが遂に誕生! | プロダクト販売 | 1,392万円 |
みんなで作る都市伝説の祭典!イベント&都市伝説アルバムの制作に挑戦! | 音楽 | 1,277万円 |
先のCAMPFIREと比較すると、プロダクト製品に寄っているのがMakuakeの特徴。毎月上位はプロダクト販売が多くランクインします。
プロダクト販売の場合、開発系のプロジェクトと違い、すでに完成しているものがリターンとなりますから、資金提供する側からすれば支援というよりも購入の意識が強い。そのため商品独自の魅力だけで勝負でき、目標達成後の伸び悩み問題もありません。
その証拠として◯位のサーキュレーターは、今回だけで売上累計が9,000万円超えまで伸びています。このクラウドファンディングを起案している業者は、過去何回もクラウドファンディングに挑戦している経験豊富で、今まで培ってきたマーケティングなどの知見が豊富なのでしょう。
READYFOR〜最後の追い込みが突出したプロジェクトがTOP
タイトル | ジャンル | 調達額 |
---|---|---|
「シン・猫の森プロジェクト」〜シニア猫にも専用の部屋を作りたい〜 | ソーシャルグッド | 2,319万円 |
二度と医療は止めない。豪雨災害に備える防水壁建設にご支援を | ソーシャルグッド | 1,344万円 |
輪島に復興の狼煙をあげる飲食店『mebuki-芽吹-』を開業したい | 飲食店開業 | 1,111万円 |
続く挑戦、未来をつむぐ。患者様送迎サービス用の車両購入へご支援を! | 医療・福祉 | 1,097万円 |
行き場のない子たちを守り続ける。人とニャンコの幸せめぐる複合施設を | ソーシャルグッド | 852万円 |
保護猫、医療輸送が2つずつと、社会貢献活動に強いReadyforならではのラインナップ。こうしてみると大手3社の特徴がそのまま出てますね。プラットフォーム事業も特色を出していかなければ勝ち残れない時代です。
さてトップの「シン・猫の森プロジェクト」ですが、7月末に募集終了しトータルでは約5,300万円の資金調達に成功しました。調達の目的は猫の保護施設を建てるということで、スタート時の目標が土地の取得費用 2,700万円、ネクストゴールに建物の建設費用 6,000万円をとしたものでした。
このプロジェクトで目を引いたのは、怒涛のラストスパートを決めているところ。通常、キャンペーン期間中の支援の推移は開始2~3日が最も支援を集め、その後中だるみ期間に入り、最後の数日にやや盛り返すというのが一般的。
グラフを見て頂くと、このキャンペーンの場合、最終日の支援額が突出しています。前日まではネクストゴールまでまだ開きがあったものの、最後の追い上げでかなり目標まで迫っています。ネクストゴールまでは届きませんでしたが、最終日の支援は資金繰りの面でも起案者の方にとっては本当に助かることだと思います。
最後の追い上げのためにどんな施策を打ったのかは、外から見ただけでは分かりません。ただ、この起案者の方は日ごろから活動報告などを頻繁に更新しており、実際の支援者および支援見込がある方たちとのコミュニケーションを大事にしていたことが伺えます。最終日に至っては一時間おきに活動報告を更新していました。私も今後の参考にしたいと思います。
コメント